• お問い合わせ
  • カート
  • メニュー
    閉じる
電話・FAXでもご注文を承っております
(平日 8:30〜17:30 日・祝休み)
TEL. 0120-64-3923
 /  FAX. 0120-64-2570

よみもの

「そうめん」と「ひやむぎ」の違いは太さだけ? 製法や歴史・カロリーを調査!

「そうめん」と「ひやむぎ」の違いは太さだけ? 製法や歴史・カロリーを調査!

JAS(日本農林規格)の規格では、直径1.3mm未満の麺を「そうめん」、直径1.3mm以上1.7mm未満の麺を「ひやむぎ」としています。しかし、これは機械製造の麺のみに適用される基準で、手作り(手延べ麺)の場合、直径1.7mm未満の麺は「そうめん」「ひやむぎ」どちらを名乗っても問題ありません。そのため、太さだけでなく作り方にも注目しましょう。

本記事では、「そうめん」と「ひやむぎ」の特徴や違いを解説します。

「そうめん」と「ひやむぎ」の違いを解説

「そうめん」と「ひやむぎ」の違いを解説

共通点も多いものの、実はそれぞれ違う食品に分類されるそうめんとひやむぎ。麺の太さや製造方法、歴史など、随所に違いがあります。普段何気なく食べている人は両者の違いを知ることで、よりおいしい食べ方を楽しめるでしょう。そうめんとひやむぎの違いを詳しく解説します。

そうめんの特徴

そうめんとは、小麦粉を原材料とした直径1.3mm未満の乾麺のことです。ただし、上記の規定は機械で作ったそうめん「機械製麺(乾めん類)」に限られます。そのため、太さだけでなく、作り方や歴史など、さまざまな側面からそうめんとは何かを確認すると、違いが分かりやすくなります。

麺の太さ

上述の通り、乾めん類のそうめんはJAS(日本農林規格)の規格により、太さは直径1.3mm未満と定められています。ただし、手作業で作った麺(手延べ干しめん)の場合、直径1.7mm未満であれば「手延べそうめん」「手延べひやむぎ」どちらを表示しても良いものとされています。

同じ「そうめん」という商品であっても、製法の違いにより太さが異なるため注意しましょう。

なお、小麦粉を原料とし太さが直径1.7mm以上のものは手延べうどんに分類されます(干しうどんの場合、直径や短径など、他にも要件があります)。また、「干しそば」と表示するためにはそば粉の使用が必要であるものの、太さの基準はありません。

作り方

先述したJAS規格は、そうめんの製法により太さの基準が異なります。そうめんには「機械製麺(機械製法)」と「手延べ麺」の2つの作り方があり、JAS規格では前者を「乾めん類」、後者を「手延べ干しめん」として区別しているのです。

機械製法では、小麦粉に水と塩を加えて練り合わせた後、生地を薄く伸ばして機械刃で直径1.3mm未満の麺状に切ってから、乾燥させて作ります。機械製法では、機械で麺をカットするため、断面が四角になっている点が特徴です。

一方手延べは、小麦粉に水と塩を加えて練り合わせた後、表面が乾燥しないように少量の食用植物油またはでん粉を塗って、引き延ばして丸棒状の麺にした後、乾燥させたもの。なお、JAS規格で「手延べ」と表示するためには、麺の引き延ばしは手作業ですることや、熟成の時間などにも規定があるのです。手作業で作るそうめんは機械で切断する必要がないため、断面が丸くなっている点が特徴となっています。

麺の色

そうめんは小麦原料のため白が基本ではあるものの、最近ではさまざまな色合いのそうめんも増えています。小麦の表皮や胚乳など全て含まれる「全粒粉」を使ったものでは薄い茶色のため、一見すると色の薄いそばのように見えるかもしれません。また、食品の色素などを使って色付けしたカラーそうめんなどもあります。

歴史や食文化

そうめんの起源は、奈良時代に中国から伝来したお菓子の索餅(さくべい)とされています。索餅はもち米の粉に水を加えて練り、細く延ばして縄状にねじり合わせたお菓子で、当時は貴族しか食べられませんでした。その後、室町時代にそうめんの形となりました。なお、そうめんは江戸時代まで高級品として親しまれ、庶民も食べられるようになったのは近代~現代に入ってからのことです。

そうめんの文化的行事としては、7月7日の「そうめんの日」が挙げられます。鎌倉時代の宮中儀式では、旧暦の7月7日にそうめんの起源となった索餅が供え物の一つとされていました。

ここから、全国乾麺協同組合連合会では、芸事の上達や恋愛成就、健康祈願などを込めて7月7日にそうめんを食べる「そうめんの日」を制定しています。

以上のように、そうめんは日本の文化や歴史にも深いつながりのある食べ物です。

ひやむぎの特徴

ひやむぎとは、小麦を原材料とした乾麺であり、一般的にはそうめんよりも麺が太いことが特徴です。ここでは、太さ以外にも作り方や歴史など、さまざまな面からひやむぎを解説します。

麺の太さ

前述のとおり、機械製麺にて直径1.3mm以上1.7mm未満、短径1.0mm以上1.7mm未満に成形したものを「ひやむぎ」といいます。ただし、手作りの手延べ干しめんでは、直径1.7mm未満のものは「手延べそうめん」「手延べひやむぎ」、どちらを表示しても問題ありません。

作り方

ひやむぎもそうめんと同様に「機械製麺(機械製法)」と「手延べ麺」の2つの作り方があります。また、材料の小麦粉に水と塩を加え練り上げ、薄く引き延ばして麺状にカットした後、乾かす点も同様です。

なお、ひやむぎは機械製麺でも手延べ麺でも、刃物を使い麺の形成をするため、どちらも断面は四角くなります。また、手延べ麺では、そうめんもひやむぎも、「麺の表面が乾燥しないよう食用植物油またはでん粉を塗付して引き延ばす」点は同じです。油を使っているかどうかの違いはありません。

なお、現在ではそうめん・ひやむぎともに、作り方が多様化しています。そのため、断面のみで違いを判断するのは困難になっています。

麺の色

ひやむぎもそうめんと同様に、小麦が原料のため白色が基本ではあるものの、最近では全粒粉入りのものやカラーひやむぎなども登場するようになりました。

なお、そうめんやひやむぎを食べていて、数本だけ赤色や緑色の付いた麺が入っていることがあります。これは昔、うどん・ひやむぎ・そうめんを区別して販売するため、中間の太さのひやむぎにだけに入れられたとされています。

しかし、時代が進むと機械製造が主流となり、商品管理の徹底から取り違えが減ったため、ひやむぎにだけ色付き麺を入れた商品は少なくなりました。

歴史や食文化

ひやむぎは、そうめんから派生した麺とされています。先述の通り、そうめんは奈良時代に中国から伝来した索餅が起源となり、室町時代には現在のそうめんの形になりました。室町時代にはそうめん以外にも派生してできた麺が複数あり、そのうちの一つで、うどんを細く切って作った「切麦(きりむぎ)」がひやむぎの起源とされています。このため、ひやむぎは日本発祥の麺類となります(諸説あり)。

「そうめん」と「ひやむぎ」の違いを解説まとめ

以上、そうめんとひやむぎの違いをまとめると以下のようになります。

違いそうめんひやむぎ
麺の太さ直径1.3mm未満
※ただし手延べ干しめんの場合、直径1.7mm未満も可
直径1.3mm以上1.7mm未満
作り方手延べでは、乾燥した麺を裁断する最終工程までは、麺をカットしない
※麺の断面が丸
機械製麺、手延べ、どちらも一般的に製造工程で麺をカットする
※麺の断面が四角のものが多い
基本は白基本は白
(色付き麺は当時ひやむぎにのみ入っていた)
歴史・文化奈良時代の「索餅」が起源室町時代の「切麦」が起源

そうめんとひやむぎの共通点

そうめんとひやむぎは、太さに違いがあるものの、どちらも小麦粉・水・塩・油を原材料とする点は共通しています(油は作り方によっては使用しないケースもあります)。

これまで解説したとおり、そうめんとひやむぎは作られた当初こそ、作り方や見た目にも大きな違いがありました。しかし、機械化が進んだ現在では、違いも少なくなっています。

「にゅうめん」は「そうめん」「ひやむぎ」と違う麺?

「そうめん」や「ひやむぎ」のレシピを見ていると、「にゅうめん」という言葉を見ることがあるかもしれません。にゅうめんとは、麺の一種ではなく「そうめん」の食べ方を指します。

冷やして食べるときは「そうめん」と呼ばれ、温かくして食べるときは「にゅうめん(煮麺)」と呼ばれています。にゅうめんは元々は奈良県発祥の郷土料理であったものの、現在では全国的に食べられ呼び方も定着しました。

さらに、にゅうめんには以下2つの食べ方があります。

  • 温かい出汁やつゆの中で煮込む方法
  • そうめんに温かい出汁やつゆをかける方法

出汁で煮込む方法では、鍋の具や〆で使われることもあります。また、出汁をかける方法では、シンプルに出汁とネギのみとするだけでなく、しいたけや鶏肉などの好みの具を入れて楽しむのも良いでしょう。

半田そうめんは「ひやむぎ」?

「ひやむぎ」と「そうめん」の違いは、一般的に太さのみと考えられているものの、作り方も注意して確認するのがポイントです。

例えば、300年の歴史がある徳島県つるぎ町の「半田そうめん」は太さは直径1.3mm~1.6mmほどあり、太さとコシのある食感が特長。

なお、半田そうめんは「手延べ干しめん」のため、手延べひやむぎ・手延べそうめん、どちらを表記しても問題はありません。

「そうめん」と「ひやむぎ」の味の違い

「そうめん」と「ひやむぎ」はどちらも小麦を原料とするものの、太さが違えば、のど越しや食感が異なり、風味や味の感覚に変化が生じることも。

ここから、両者の味や食感など、食べ方にまつわる違いを解説します。

そうめんの味や食感

ひやむぎよりも細いそうめんは、ツルっとしたのど越しが魅力です。また、手延べそうめんの場合、機械製麺と異なり断面が丸いので、よりのど越しのよさを感じられるでしょう。また、そうめんの方が細いため、食感も強くは感じず、小麦の甘みなどもあっさりと感じる程度にとどまります。そのため、夏場など食欲がないときでも食べやすいタイプです。

ひやむぎの味や食感

そうめんよりも太いひやむぎは、噛み応えがあり麺が太い分、小麦の甘みを感じられる点が魅力です。のど越しよりも麺そのもののコシを味わう食べ方に向いており、ある程度太さがあるため食べ応えも十分に感じられます。そうめんでは物足りないけれど、うどんでは量が多いときにぴったりです。

茹で時間の違い

そうめんとひやむぎは、麺の太さの違いから茹で時間にも差があります。一般的な目安は以下のとおりです。

  • そうめん:2分前後
  • ひやむぎ:4分前後

手軽に茹でられるそうめんは、すぐに何か食べたいとき、料理をする気が起きないときにもぴったりです。ひやむぎはある程度太さがあるものの、うどんよりは茹で時間が短くなります。さらに、太さがあるため多少煮込み過ぎた程度ではコシが失われない点もメリットです。

なお、手延べ麺の茹で時間は5~6分が目安となります。

そうめんとひやむぎはどっちがおいしい?

お伝えしたように、そうめんとひやむぎはそれぞれ特徴が異なるものの、どちらもおいしい点に違いはありません。選ぶときはのど越しを重視するのか、それともコシを味わいたいかなど、どのような食べ方をしたいかによりそうめんとひやむぎを使い分けるとよいでしょう。

なお、手延べ麺は手作りのため、機械麺以上に強いコシが魅力。麺の太さに若干の違いがあるため、つゆとも馴染みやすくなります。

麺類は茹で方や茹で時間を間違ってしまうと、おいしさが半減してしまいます。それぞれの麺の茹で方の指示に従って茹でるのも、おいしく食べるポイントです。

「そうめん」と「ひやむぎ」の栄養について

「そうめん」と「ひやむぎ」の栄養について

そうめんとひやむぎは、どちらも小麦粉と塩などを原料としているため、栄養価に大きな違いはありません。具体的には、炭水化物を主とし、たんぱく質や食物繊維、その他のミネラル類も若干含まれています。

なお、そうめんやひやむぎは単独で食べると、取れる栄養は糖質(炭水化物)に偏ってしまいます。そのため、栄養バランスが気になるときは、肉や魚などたんぱく質が取れるもの、ビタミン・ミネラルが取れる野菜などと一緒に食べるとよいでしょう。

また、塩分が気になるなら、減塩タイプのめんつゆを使う、カリウムの豊富な野菜と一緒に食べるなどの方法があります。

そうめんとひやむぎはどちらも同じカロリー

文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、そうめんとひやむぎは、以下のようにどちらも同じカロリーです。(※)

【100gあたりのカロリー】
そうめん・ひやむぎ(乾麺):333kcal
そうめん・ひやむぎ(茹で):114kcal

なお、100gのご飯のカロリーは156kcalであるため、同量のご飯を食べるよりも、カロリーを抑えられるでしょう。(※)

そのため、そうめんやひやむぎはダイエットに取り入れる方法もあるものの、食べ方には2つの注意が必要。

一つは、食べ過ぎないことです。カロリーが低くても食べ過ぎれば、当然カロリー過多となります。特にそうめんやひやむぎは、ツルツルと食べやすいため、食べ過ぎには注意しましょう。

もう一つは、栄養バランスに気を付けることです。ダイエット食にそうめんやひやむぎを選んだからといって、そればかり食べていると栄養が偏ってしまいます。栄養の偏りから体重が減ってやつれたようになったり、体調を崩したりしないよう注意しましょう。

※参考:文部科学省. 「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」. P352/P355.
https://www.mext.go.jp/content/20201225-mxt_kagsei-mext_01110_011.pdf, (2023-09-29).

まとめ:おいしい麺が食べたいなら“手延べ麺”もおすすめ!

そうめんとひやむぎの大きな違いは、太さです。しかし、その太さも機械製造か手延べ麺かにより基準が異なるため、種類選びに迷ったら「どのような味わいを求めているか」で探してみるのもおすすめです。

手延べの半田そうめん「オカベの麺」では、麺好きの方にもご納得いただけるおいしい麺類を各種ご用意しています。ご贈答にはもちろん、ご家庭用にうれしい徳用や詰め合わせセットもあるため、ぜひこの機会にご賞味ください。