オカベについて
オカベの手延べめんが出来るまで

オカベの麺づくりは朝の3時30分から製造を開始します。
まだまだ外も真っ暗で、冬などは寒さも厳しい時間ですが、この早い時間こそがおいしい麺を作るために重要なのです。
各工程で、麺を休ませて熟成させる時間が必要なので早起きします!



熟練した職人さん達が、小麦粉・塩・水を合わせて硬さを調べながら水加減を調整するのですが、気温や塩加減によって硬さが毎日違うため、最後は「職人の勘」が決め手になります。
“ねり”時間はおよそ30分間位になりますが、それ以上だと麺が熱を持ち、それ以下だと塩水が、まんべんなく行き渡らなく熟成が遅くなります。
30分近くになり、粉と水が丁度良い程度に混ざりだすと、もちもちの「オモチ状」になり、耳たぶくらいの硬さになってきます。
オカベでは水分を多めに入れることによって、麺にソフト感が出るように職人さん達が日々、格闘しております。

その後、麺圧機に入れ、麺がローリングしてゆっくりと麺を圧縮していきます。
麺圧とは、昔で言うところの「足踏み」の工程になり、昔は足で踏んで圧縮していましたが、大量の麺を30分間も踏むことは大変であり、踏み手の体調や体重によっても全く違ったものになるため、一定に仕上がり衛生上も問題の無いということから、麺圧機を使用しております。



麺圧機より出てきたものを、2連になっているロールの中にかませて、一本の麺の帯を作り上げ、休ませながら2枚に合わせて、再びロールの中にかませます。この作業を何回も繰り返すことにより、茹で過ぎても煮くずれしない独特の麺になるのです。
麺を鍛えるというと固くなりそうですが、逆にこの工程によりソフト感が生まれてくるのです。
麺をつまんでちぎろうとしても、木の皮をめくるごとくに筋になってめくれます。この段階になると麺の帯を円い麺帯にし、イダキ麺合わせが終了です。



イダキで出来上がった麺を1時間くらい休ませてから、自動巻機にかけます。
ここで「手打めん」と「手延めん」の違いがハッキリと分かれてきます。
「手打めん」の面の組織は網目状ですが、「手延めん」の組織は、らせん状になっており、自動巻機で麺をねじりながら、麺圧をかけて麺線を細くします。
皆様はワラで縄(しめ縄など)を作ったことはありますか?
原理はまったく同じなのです。
この工程を2度ほど繰り返します。



自動巻でたらいに取った麺を、ワラをなうように2本の棒に8の字になるようにかけ、ねじりながら、さらに細くします。
ねじりながら延ばし、そしてひねりながら延ばすことで麺が鍛えられ、簡単には切れない強さになります
かけ巻きをした後、2時間ぐらい休ませてから、2本の棒にかかった麺を左右に一定の長さで引き込みます。
これは、旗にかける時に延びやすくするために行います。
この工程が終わるとまた2時間麺を休ませます。



昼の12時から旗に素麺をかけていきます、麺の延び具合を見ながら丁寧に延ばしていきます。
延びていない状態の麺を強引に延ばすと、麺は切れてしまい表面もガサガサになってしまい、味しい素麺ではなくなってしまいますし、逆に延びきってしまってもやはりダメで製品にはならなくなってしまいます。



旗にかけた麺がくっついていないかを確認するために、もう一度、丁寧にはしを入れます。
この時に麺の乾き具合を見ながら、除湿機・扇風機・冷風乾燥機・換気扇を点けたり消したりして調整します。ここでも職人さんの勘が重要なのです。
時間をかけて、ゆっくり乾かすことによって麺の表面がきめ細かくなります、逆に急激に乾かすと、茹でたときに割れる麺になるます。
17時半位に全ての機械を一度止め、室内の湿度を75%~85%に抑え、翌日の午前3時半までそのままにしておきます。
こうすることで麺の中心部からゆっくりと熟成が進み、良い食感がえられます。
朝3時30分から9時頃までオカベでは乾燥に、冷風乾燥機を使い(冬の冷たい北風のイメージです)20~25度に設定し、気温によって温度を変えます。
ゆっくり乾かすことによって、麺内の水分移動がなめらかになり、麺の食感にも大きな影響を与えるのです。


後は取り込みと麺切りです、旗にかけてある1束から19cmの長さの麺を8つ取ることが出来ます。真っ直ぐに置かないと、麺の長さがちぐはぐになってしまいます。
オカベの麺は手延べ麺ですので、伸ばした際の上部と下部の麺はすそ広がりの【ばち麺】になります。ばち麺は除き、中央の太さが均等なものを袋詰めします。(ばち麺はばち麺で別にまとめて仕分けします)
結束機に入れる前に、人の手と目によって、長さの合わないもの・太すぎるもの・麺の表面がおかしいものなどをより分けて除きます。この段階で、商品に異物などが混ざっていないかを確認するため【金属探知機】を使用して確認を行います。
細かく手間のかかる作業ですが、女性が出掛ける前のお化粧のように、ちゃんとした商品の出荷の為にも丁寧により分けていきます。


最後に完成した商品を箱に詰めて、出来上がりです。
先入り先出しがきちんと出来るように、商品の置き場・並べ方にも気を付けています。
いよいよ、皆さんにお届けです!

麺作りは一見とてもシンプルな作業に見えますが、シンプルゆえ、逆に奥深いものなのです。
お客さまに喜んでいただけるよう、これからも、一本一本丁寧に作っていきます。